959: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/08/29(水) 01:00:38.66 ID:tzmn7HqC0
鈍い轟音と共に、俺の身体は崩れ落ちた。
「あ、あぁ…………ッ!!」
「クッ……御剣ィ、やってくれるじゃねぇか…………かはっ――」
身体全身を震わせながら、拳銃を手元から落とす御剣が見えた。
「…………どうして、そこまで」
「………………ハハ」
これで、シナリオ通りだ。
俺は御剣に討伐され、彼らの首輪は外れる――
「なあ、主催者! ……“白馬のおじさま”の本当の話、知ってるか……?」
俺は天井に向かって大声で話しだす。
「勇敢にも敵兵たち、を討伐しにいった白馬の、おじさまは…………結局、敵兵に負けたんだ」
「だがな、敵兵たちは素直に、その勝利を喜べなかったんだわ……」
「元はと言えば、お姫様も、白馬のおじさまも、敵兵も…………皆、皆仲間だったんだわ」
「おじさまを殺した敵兵たちは、仲違いしていたことに……その過ちに、気が付くんだ――」
「おじさま、一人を犠牲にしたことで――」
「だからな、お姫様は、“白馬のおじさまが死んでも”……、生き残るんだわ」
「仲違いしていた、仲間と……仲直りして、その後、幸せな人生を…………過ごす、んだよ……!」
「そうだろ……?」
そうだ――
これでいい――
まさしくこれが俺の求めていた――
「おじ、さん……? おじさん!」
視界がぼやける中、優希の顔が近くに見えた。
「……お姫様、白馬のおじさまは、貴女を守り、ました――」
「おじさん、返事して! 返事してよぉ……っ!!」
「これで、皆…………ハッピーエンド、なんだわ」
「ぃゃ……おじさん、眠らないで!」
「優希……お前は、幸せになれ。俺はちょっと……夢でもみるわ――」
もっと、優希の笑顔……見たかったな――
――――――
――――
――
シークレットゲーム -梶原良介編- END
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