32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage saga]
2012/10/02(火) 21:02:50.37 ID:WejQHfOso
一週間前。
「……?」
ふと目を覚ました滝壺は、自分がベッドで大の字に寝ていること自体には、それほど違和感を感じなかった。
その日は浜面の仕事が休みであり、たまたま街で会った『彼』を家に招いて宴会をしていたからだ。
浜面はビールの缶を開け、彼は無理矢理それに付き合わされ、自分も少しだけ付き合った。
ジュースと酎ハイを間違えたフレメアは早々にベッドとお友達になり、意外と料理の腕前がある彼のツマミによって加速した浜面も、割とすぐに沈黙した。
彼が浜面をベッドまで担いでいき、自分が先に後片付けを始める。
そして彼が戻ってきて、片付けを手伝ってくれはじめたのだが、それから急速に眠くなってしまったのだ。
やむなく彼には『片付けは明日自分がする』と告げて帰ってもらい、シャワーも浴びずにベッド寝転んだ――ところまでは覚えている。
楽しそうにする浜面に釣られていつもより酒量は多かったし、そもそも酒を飲むこと自体があまりないので、眠くなることに違和感は感じなかった。
カーテンの向こうはまだ暗いが、一眠りしたせいか頭ははっきりしている。
シャワーを浴びてから寝直そう、と身を起こそうとしたところで、
「――っ!?」
滝壺は目を見開いた。
「んんっ!?」
そして驚きの声をあげると同時に、次の驚きに身を捩る。
無理もない。
右手首と左手首をそれぞれベッドの上端金具に縛り付けられ、口にボールギャグを噛まされていれば、驚かないわけがなかった。
「うぅっ!? んんっ!?」
首を左右に振りながら、両腕を引く。
しかし手を固定する革製の拘束帯は、双方ともギチギチと音をたてるだけで外れる様子はなく、また、口を塞ぐギャグも意味ある言葉を作らせてはくれなかった。
何が起こったのかわからない。
それでも必死に自由を取り戻そうと、寝返りをうとうとして――
「目が覚めたか?」
「――っ!?」
声が響き、滝壺がビクリと震えた。
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