過去ログ - 魔法少女ほむら☆マギカ〜私の居場所〜 明るい魔まマほむらルート
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32:ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[saga]
2013/01/05(土) 06:05:20.37 ID:2sSLdoRio
          ☆

  キーンコーンカーンコーン……。

  昼休みを告げるチャイムの音と教師と日直のやりとりを聞きながら、ほむらはいつ、どうやってまどかに昨日助けられた時のお礼を言おうか悩んでいた。
 (……この休み時間こそ、鹿目さんにお礼を言うんだっ)
  左胸の前で左拳をぐっと握って決意を決めるほむら。
  これまでの休み時間にもまどかに声をかけようとしたのだが、授業が長引いて休憩時間が短くなってしまったり、教室の移動が重なってしまったり。
  ほむらはまどかとまともに会話する事も出来ないまま今に至っていたのだった。
 「……よしっ」
  誰にも聞こえないような小さな声で、決意を固めてまどかの元へ向かおうとすると、ほむらの耳にさやかの元気な声が飛び込んできた。

 「あー、おなかすいたー。まどか、仁美、早くお昼にしようよー」
 「……あ」
  弁当箱を片手に持ったさやかと自分の弁当箱を取り出している仁美の姿を目にして、ほむらの決意が瓦解していく。
 (鹿目さん、これからお友達とお昼ご飯食べるんだ……。邪魔したら悪いよね……)
  仲の良い友達と一緒に食事を取るまどかの事を羨ましく思いつつ、ほむらは弁当箱を持って教室を出ていくことにした。
 (……誰もいない場所、探さないと)
  友達のいないひとりぼっちの自分を情けない、惨めだと思いながら、ほむらはとぼとぼと肩を落として廊下を歩く。

 「――ほむらちゃん、待って」
  ほむらが俯きながら歩いていると、まどかが駆け寄ってきてほむらを呼び止めた。
 「ほむらちゃん、お昼まだだよね?」
 「は、はい」
  ほむらが俯きながらそう答えると、まどかはポンと両の掌を合わせて、屈託のない笑顔でほむらに言う。

 「じゃあさ、わたし達と一緒にお昼食べようよ」
 「え? でも……」
 「それとも誰かと約束があるとか?」
 「いえ……。そんな……約束なんて、ありません……」
 「じゃあ、一緒に食べようよ」

 「でも、お友達と一緒にお昼するのに私なんかが、お邪魔したら鹿目さんのお友達に迷惑なんじゃ……」
  ほむらの吐いた卑屈な言葉に、まどかは思わずほむらの手を取って答えた。
 「何言ってるの? ほむらちゃんはもう、わたしの友達だよ」
 「……え?」
  まどかの行為と言葉に驚いて、俯いていた顔をほむらが上げると、まどかはほむらの目をしっかりと見つめながら言葉を紡ぐ。
 「だから、さやかちゃんと仁美ちゃんにもほむらちゃんの事、紹介したいの。わたしの新しい友達だよって」
 「……友、達」
 「うん。あ、さやかちゃんと仁美ちゃんはわたしの仲の良い友達なんだけどね。さやかちゃん達もほむらちゃんと仲良くなってくれたらいいなって。そう思うんだ」
 「……」
 「駄目かな?」
  まどかの言葉に顔をふるふると振りながらほむらは答える。


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