3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]
2012/08/16(木) 07:50:25.52 ID:DeNa+wh1o
◇
紬「――菫ー、すみれー」
菫「はいはい、何でしょうお嬢様」
『説明書』に一通り目を通すと、結局いつも通りの時間になっていた。
そのまま起きて皆に挨拶し、朝食まで済ませて。お互いに学生モードに切り替わる直前、菫に声をかけた。
紬「誰もいないからいつも通りでいいわよ……っと、危ない危ない」→
菫「? どうしたのお姉ちゃん、急にむこう向いて」
……それはね、あなたに魔法がかからないようにするためよ。
『説明書』に書かれていた『魔法』のかけ方。相手の目を見て、命令すること。それだけ。
こんな簡単なやり方では家の中の私じゃ知らないうちに魔法を使ってしまいかねない。学校ならそんなことないだろうけど。
っていうか魔法なんていうけど、要は相手に行動を強制するような用途ばかりになるんじゃないかな、これ。
そもそも、夢で見た『説明書』が手元にあるからといって魔法の存在を信じたわけじゃない。
信じたわけじゃない、けど、たぶん本物なんだろうなぁ、とも思ってるから慎重になってる。
魔法なんて現実に存在すると思うほうがおかしいんだとしても、夢と現実がシンクロしちゃってる今を、どうやっても証明できないから。
だからきっと、『まだ』信じていない、信じれない、それだけのこと。
本当は、どうせこれは、否定できない非日常。
信じがたい現象だけど否定できないから、たぶん全部本当のこと。
だから、菫で試してみようと思う。
試すと言えば聞こえは悪いけど、魔法はなるべく害のないものにするし、それにあの神様(?)の言うことと説明書が正しいなら、一度魔法をかけてしまえば二度目は『解除』しかないから。
言ってしまえば、先に意図的に魔法をかけることで『誤爆』の可能性も減るはず。これは菫達を守ることにも繋がるんだ。
でも、あまりにも害がないような日常的な命令だと魔法の効果かどうかわからない。
ギリギリのラインを見極めないと……
紬「……菫」
菫「なぁに?」
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