過去ログ - 時臣「安価で余裕をもって優雅に聖杯戦争を制する」
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947:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/19(日) 00:54:58.02 ID:fHHJ2B2L0
――――――後日

時臣「聖杯は本物だった。過程は余り納得いかないものは多分にあるものの私は根源へと到達し今では魔法使いの一人に数えられるようになった」

時臣「聖杯戦争が終了したので綺礼は聖堂教会に戻り璃正神父は冬木教会で神父を続けている」

時臣「だがそんな些細なことよりも世界は大きな変革を遂げていた」

時臣「先ず第一に世界中から戦争が消えた。戦争しているお互いの国のトップが唐突に戦争止めようと言いだしたからだ」

時臣「食糧事情が好転していってることにより飢餓による餓死者も減ってきている。聖杯の力って凄いと改めて実感しているところである」

時臣「……とはいえこれは一時的なものだ。聖杯の力は無限のようで無限ではなく有限。私の見る限り三年もすれば世界は元の騒がしさを取り戻すだろう」

時臣「それでも……たった三年間でも世界が平和ならば、それはとても素敵なことではないだろうか。魔法使いになったせいかそういう考え方をするようになった」

セイバー「ところでお腹がすきました!」

時臣「そして何故セイバー、お前は我が家に留まっている」

セイバー「何を言うのですマスター! 私達は共に英雄が跋扈する聖杯戦争を勝ち抜いた間柄! その結束はもはや夫婦の絆にも勝る!」

葵「なんですって!?」

セイバー「つまりマスターが私を養うのは当然であり、私がこうやって自堕落に過ごすのも当然の権利なのです!」

時臣「分からないな。ずっと疑問に思っていたのだが君は騎士の王。アーサー王だ。勝手なイメージだが君が聖杯戦争で行った卑怯な戦術や自堕落は主義に反するのではないかね?」

セイバー「否定はしません。私は王ですが騎士、以前の私なら汚い手段をとるにしても心の中では罪悪感に苛まれていたでしょう」

時臣「ならば、どうして?」

セイバー「私が他の聖杯戦争の記憶をもっているというのは前に話した通りです。ですが……その中である最悪な戦争を経験したのですよ」

時臣「最悪な、戦争?」

セイバー「はい。騎士としての誇りも王としての威厳も踏み躙られ、一人の黄金の王に凌辱の限りを尽くされました。この世全ての悪を強引に呑まされ受肉され……黄金が飽きれば捨てられた」

セイバー「もっともその後に召喚された他の聖杯戦争で私はある少年に召喚され、祖国への未練を断ち切ることができましたが」

時臣「では。君があんな行いをしていたのは黄金の王に対する腹いせ」

セイバー「いえ。それほど私は愚かではありません。ただ黄金の王に虐げられる中、こうも思ったのです。王としての道も騎士としての道も、アーサー王がアーサー王であろうとするための全てを捨て去ったその先にはなにがあるのかと」

セイバー「その結果があれです。後悔はしてません。寧ろ……これはこれで良いと充足を覚える自分がいる。私がこんな私で召喚されたのは、聖杯が黒く染まっていたからでしょうね」

セイバー「王は人の気持ちが分からないと昔ある騎士に言われました。成程、今ならば彼の騎士の言葉が真に理解できる。あの頃の私は人の気持ちなどまったく理解していなかった」

時臣「セイバーは、これからどうする?」

セイバー「特には。ただ折角こうして生きているのです。生きている限りこの世を楽しみたいと思います」

セイバー「英霊アルトリアでも騎士王アーサーでもなく」

アルトリア「ただの人間アルトリアとして」

時臣「そうか。では楽しもうか。余裕をもって優雅に――――この世の春を」



――――――FIN――――――


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