過去ログ - 咲「野球って楽しいよね。安価でいっしょに楽しもうよ!!」 二十九本場
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976:松井くんは大破しないためにもそろそろ負けたほうがいい[saga]
2012/08/20(月) 09:47:32.94 ID:pQfqRXw7o

結局彼は、あれから屋上に来なかった。

何回か、全校集会でその姿を見かけはした。

背が高くて、綺麗な金色の髪だから、見つけるのは容易かった。

それでもずっと見てると気付かれてしまいそうで、すぐに目をそらしちゃっていたんだけど。

(やっぱり、友達、多いんだ)

彼は、いつでも楽しそうに笑っていた。

彼の傍には、いつでも友達がいた。

私とは、違っていた。

だから、一度も彼には声をかけなかった。

私から見ると、彼の持っているものは、どんな綺羅びやかなドレスよりも素敵なものだったから。

泥にまみれた汚い体で、純白のドレスを纏ったお姫様には触れない。

結局私は、あのたった一日の、気まぐれでもたらされた縁のない人との日々をただ想うだけしか出来なかった。

いつしか彼への想いも、少しずつ薄れていき。

進級を機に、彼と会ったあの日のことを綺麗な思い出として心の底に封印しようとしたのに。

新しい所属クラスである2年ヒポポタマス組の教室に、彼の姿があって。

冷めきっていた機械のような私の心に、熱が灯るのを感じた。


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