130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/03(月) 22:35:05.71 ID:xJgeVSzDO
 クロ「それでも、お前!あんなに焦る奴がいるかよ、ヒヒヒ。」 
  
  
 勘違いの恥ずかしさと、目の前の猫の飾り気なしの大笑いにつられる形ではあったが、マミもまた笑った。先刻の夢が、少しだけ薄れるほどには、楽しいという感情が蘇ってきたのだ。  
  
  
 そこからしばらく、一人と一匹は洗面所で笑い合った。  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 クロ「ふぅー、朝っぱらから笑った笑った。」 
  
  
 マミ「そうね。こんなに笑ったのは久しぶりだったわ。」 
  
  
 その後、いつまでも洗面所にいるわけにはいかなかったので、マミは朝の準備をすませ、今はクロと一緒にトーストをかじっている。  
  
  
 マミ「だって驚いたんだもの。結構チープなドッキリに凄く反応する人の気持ちが分かったわ。」 
  
  
 もう落ち着いたのか、いつもの微笑を浮かべて、マミは紅茶をすすっていた。  
  
  
 クロ「ま、それくらいが調度いいんじゃねぇのか?お前最近かっこつけて、気持ちとかだしてなかったからな。」  
  
  
 マミのカップを傾ける手が止まった。  
 それを知ってか知らずか、クロはパンを咥えながらさらに続けた。  
  
  
 クロ「あいつらに良いとこ見せて、魔法少女になってほしいってか?意外とガキっぽいとこあんだな。」 
  
  
 クロにしてはなんでもない言葉だった。  
 彼は、マミがどんな理由で行動にでいるかはまったく知らないのだから。  
  
  
 しかし、それでいながら彼は、マミがどうしたいかだけを知って、世間話として彼女の心の一端に踏み込んでしまった。  
  
  
 それは責めている訳ではない。 
 しかし、マミにとっては、それを指摘されることは、今の彼女には断罪と同じ意味だった。  
  
  
 なぜなら、彼女自身が、『やましい事』として思い悩んでいるのだから。 
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