362:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/25(火) 20:43:59.85 ID:Rwkn3+0DO
いや、ふさがれたのは退路も同じであった。
気付けば、その場にいた全員からまどかは囲まれてしまっていた。
仁美「まどかさん。それを返していただけないかしら?」
一歩、仁美が近づいてくる。
しかし、もしも引き下がれば今度は後ろにいる誰かが自分を取り押さえるのだろう。
まどかができる抵抗は、ただそこに立って、手に持つバケツを渡さないことだけ。
そんなまどかに、ツカツカと仁美は近づいてくる。
まどか「仁美ちゃん!お願い、正気に戻って!仁美ちゃ、アグッ!」
自分の鳩尾のあたりに、まどかは衝撃を感じた。
鈍い痛みがジンワリと広がり、口の中に不快な酸味が走る。
身体を九の字に曲げた時、自分の腹に仁美の拳が突き刺さっているのを確認した。
足に力が入らない。
膝から崩れ落ちたものの、両手に持ったバケツは奇跡的にこぼれはしなかった。
しかし、そんな付け焼き刃的な奇跡などなんの意味もなさない。
このままでは、彼らにバケツを奪われてしまう。
仁美「さぁ、まどかさんも行きましょう」
まどか「仁美ちゃ……ダメぇ」
立ち上がれず、抵抗もできないまどかのもとに、ゆっくりと、一歩、また一歩と、沢山の足音が近付いていく。
ギュッと目を閉じたまどかの耳に響いたのは、目的を果たした狂人達の歓声ではなく。
一つの爆発音だった。
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