375:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/26(水) 18:48:08.65 ID:KACDQaODO
壁に張りつき、そこに力一杯に剣を突き立て、クロはそこにぶら下がる。
クロ「こっちこいよ、化け物!」
果たして挑発が魔女に通用するのかは分からないが、それでも、魔女は攻撃を躱されたものの最小限の動きで旋回し、クロに踊りかかる。
そして───またも真っ正面からミサイルの直撃を受けた。
クロ「ざんねーん、大当たりだぜ」
剣の柄の所にぶら下がっているクロの尻尾から煙が登っていた。
彼には尻尾にもミサイルがあることを、どうして魔女が知りえようか。
ガコンと地に落ち、ブスブスと煙をあげている魔女は、時たまブルブルと震えている。
人間でいう気絶に近い状態だろうか。
壁にぶら下がっているままのクロはそれを見て、確信した。
クロ「こいつぁ、早めに済みそうだな」
それは、勝利の宣言だったはずだった。
戦いは、すぐに決着するはずだった。
この時、クロは決して油断した訳ではなかった。
戦いにおける優位性の中で、単純に思考の余裕が生まれたのだ。
それは、何も考えず、早めに戦闘を終わらそうとしていたが、どうやらそれも上手くいきそうだったから。
考える余裕、戦闘以外の事を考える、その余裕をクロは生み出してしまった。
その思考の隙間、感情の向こう、それを読み取る者がいることも知らずに。
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