52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/08/22(水) 21:18:25.56 ID:zWJQ0XIDO
マミ「ええ、行ってくるわ。」
その態度にも大した反応を示さずカバンを持ってマミは玄関に向かった。
クロ「いってらっしゃーい。」
なんでもない言葉だった。適当で、だらけていて、さしあたって気にもとめる必要もないはずだった。
しかし、その言葉に、マミの足は止まった。
『いってらっしゃいマミ。』
クロ「どうした?いかねーのか?」
ドアの開く気配がないことを訝しんだのか、横になったままクロがこちらを見ていた。
ハッと我に返ったマミは慌てて返事を返す。
マミ「ううん、なんでもないわ。」
クロ「?」
マミ「いってきます。」
マミは、こんなやりとりはいつ以来だったかと思い出しながら、結局思いだせずに家の扉を開けた。
────マミ宅
クロ「遅くなる、ってことは、あれか『魔法少女体験』って奴だな。」
眠気に身を任せたまま一人ごちたその言葉に返す者は誰もおらず、彼は一人、ベランダからさす日の光に一番近い場所で横になっていた。
人間からすれば、それはただの怠惰と言われるが、彼は猫。あくまでも、実際に悪魔と呼ばれているが猫である。
怠惰は、生活の一部であった。
そして、気分のままに、少し前の出来事を思い出していた。
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