564:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 00:05:58.47 ID:uMvngx8DO
クロ「なんのつもりだ?」
恭介「僕も、連れてって下さいっ」
クロ「はぁ?」
長らく運動をしてこなかったせいもあるだろう。
恭介は息切れをしながら、時には上手く床に足や手が引っ掛からず無様にカエルのようにのた打ち回っているようにしか見えなくても、それでも確実にクロに向かって進んでいた。
クロ「お前な、足手まといって知ってるか?手も足もまともに動かせねーお前に何ができるって?寝てりゃいいんだよ」
しかし、クロは恭介に厳しい言葉を投げつけるだけだ。
実は、確かにクロは恭介を試した。
しかし、それはさやかの危機に対してどんな態度をとるかを見るためのもので、まさか恭介が「一緒に行く」と言いだすとは思ってもいなかったのだ。
故に、クロは今現在苦虫を噛み潰したような顔をしている。
クロ「お前がここにいれば、さやかを連れて戻ってきてやるからよ」
少しだけ、子供に言い聞かせるような物言いでクロはなんとか恭介を病室に置いていこうとするが。
そうこうするうちに、恭介はクロに手を伸ばせば届く距離まで来ていた。
恭介「はぁ、はぁ、おかしいですね……クロさん、言ったでしょ」
息切れを起こして、顔を赤らめ、途中で唾を飲み込みながら彼は言った。
少しだけ、ニヤリと笑いながら。
恭介「僕の行きたい場所に、連れていってくれるんでしょ?」
その得意気な顔に、クロは舌打ちを打った。
どうやら抜かった、詰めが甘かったようだ。
クロ「後悔すんなよ?」
そして、クロの腹も決まった。
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