574:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:24:35.13 ID:uMvngx8DO
しかし、そこまではクロも関わるつもりはなかった。
自分はお人好しでもなければ、便利屋でもないのだから、というのがクロの言い分だろうか。
クロ「そろそろ行かねーと。ヤバそうだぜ」
恭介の焦燥と不安がヒゲにチリチリと焼け付くように嗅ぎとれる。
もう、遊びは無用。
ここからは、本気だ。
拗ねていたほむらも、いつの間にか立ち上がり真面目な顔をしている。
ほむら「じゃあ結界を開くわ。後は、分かるわね?」
クロ「OK、楽勝だぜ。中にいる化け物をぶっ殺すついでに生意気少女を引っ張り出してくるだけの簡単なお仕事だろ?」
ほむらの言葉のほとんどの意味を恭介は未だ理解できていない。
「結界」も「開く」ということもよく分かっていない。
しかし、クロの軽いノリで放たれる不穏な言葉に身体は緊張に包まれた。
ほむら「最後に一つ、忠告するわ」
ほむらが口を開いた。
その忠告という物には、恐らく自分は含まれていないのだろうが、恭介は黙って聞く。
ほむら「お人好しも大概にしないと、あなた、いつか死ぬわよ」
やはり、それはクロに向けられた言葉であった。
忠告ではあったが、その表情からはその真意は読み取れなかった。
恭介「え?」
突如として身体が沈んでいくような感覚が意識ではなく肌を襲ってきた。更に、視界は徐々に闇に飲み込まれようとしており、ほむらの姿が遠ざかっていくように見えた。
クロ「オイラが?冗談じゃねーよ。生きてやるさ、死ぬまでな」
しかし、その異変を意に介さないクロのその言葉と共に、視界は完全に闇に沈んだ。
1002Res/761.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。