624:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/17(水) 23:38:25.39 ID:FC2nmbwDO
かぐら『あ、あああ……あぁ』
ほむら『かぐ、ら。かぐら!大丈夫か!?』
無我夢中でかぐらに覆いかぶさった。
少し後ろを走っていた自分には彼女に迫る触手が見えていたからだ。
とにかく全力で走って、後はもう必死で彼女を守っただけだった。
少し見れば彼女が無傷であることは分かるが、しかしかぐらは目を見開いてガタガタと震えている。
何故、だろう。
かぐら『お、お兄、ちゃ』
背筋に悪寒が走った。
まさかと思い、後ろを振り向いた。
そこには、最もあってはならない光景が広がっていた。
クロ「ば、ばっきゃろ……。な、なに、うろつい、てんだ、よ。チビ、共……」
息も絶え絶えのクロが、自分達の前に立ちふさがっている。
その胸には、鋭く尖ったような黒い触手が深く突き刺さっていた。
ほむら『あ、あんた……』
かぐら『い、いや、いや、嫌』
クロ「行け、ほむら。かぐらを連れて、逃げ」
必死でほむらに言葉を伝えようとするも上手く形にならない。
クロ「ぐあああああ!」
それどころか、化け物はクロを貫いたその触手を、クロごと天高く掲げるように上へと運んだ。
まるで神に捧げる供物のように、そして皮肉にもその化け物の姿は天に祈る少女の姿をしていた。
クロ「ハッ、ハッ、ハッ……ハッ」
自分の身体を貫通した触手をどうにかしようとしていたのか、クロの左手はそれを力強く握り締めていた。
かぐら『いや、いやだ。いやだよぅ』
だが、やがてその腕は、力なくダラリと垂れ下がった。
それが何を指すのか、もう分からない者はいなかった。
かぐら『嫌だああああああああ!!』
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