643:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/23(火) 14:13:52.42 ID:e2M1jR3DO
右足と、右手だけで前に進む事はなんと難しいのだろう。
そしてきっと、今の自分の姿は滑稽で情けないものになっているだろう。
右足を地面に引っ掛けてみても足が滑ってしまう。
右手の場合もそうで、しかも長年の運動不足のせいか息が激しく乱れる─────それでも身体は止まらない。
前に進むことを止めようとしない。
何で───決めたから
何を───進むことを
どうして────それは、それは何故だろう。
いや、分かっているはずだ。
分かっていなければならないんだ。
「恭介ッ!?」
自分を呼び止める声が聞こえたが、それでも恭介は這う事はやめなかった。
聞こえてはいても、彼にはそれにどう反応すればいいかを判断できる余裕がないのだ。
すると、突然かき抱くような強さで肩を掴まれ、我に返ったように恭介は止まった。
さやか「恭介、止まって!恭介!!」
顔を上げて確認すればそこにいるのは今にも泣き出しそうな顔で怒鳴るさやかの姿がある。
恭介は、まるで信じられないようなものを見たような顔でさやかの顔を見た。
恭介「さやか……、何やってるんだよ。ここにいたら危ないよ!!」
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