過去ログ - クロ「魔法少女?」
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653:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/25(木) 21:22:35.99 ID:a/AS3QkDO
思わず俯く。
今まさに、自分はこの瞬間にも諦めようとしている事が分かったからだ。
痛みと疲れ、情けなくもそれは致命的に自らも歩みを止めている。
それが本当に情けなくて涙が出そうだった。


でも、かつての自分はそこで終わっていたが、今は違う。
違うと証明しなければならない。
もう一度と思い、腕に力を込めようとした時だった。


恭介「ん?」


─────ふと、服の右袖が引っ張られるような感覚がした。
誰かが小さな力で前の方に連れていこうとしているような。


その現象の正体を確認するために恭介は顔を上げた。


恭介「君は……」






そこにいたのは、一匹の小さな虎猫だった。
その虎猫はその小さな口で恭介の袖に噛み付いて後ろ向きのまま必死になって引っ張ろうとしていた。


自分はきっと彼の体重の何十倍はあるだろう。
腕を引っ張るだけでもとんでもない力を有するはずで、それでも彼は一心不乱に恭介を前に連れていこうとしていた。


恭介「君も、手伝ってくれるのかい?」


無言、返事や反応はない。
ただ子猫は、その必死な様を見せるだけである。
それだけで十分過ぎるほどだった。




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