659:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/30(火) 23:21:00.57 ID:pNxIW9DDO
引き金を引いたその瞬間、腕が砕けてしまったかのような衝撃が走った。
いやそれは、もはや『腕が中から爆発したような』感覚とも言えた。
その激しすぎる反動は恭介の身体を、そしてほむらの小さな身体も突き飛ばし地面に転がす。
それもそうだろう。
マシンガンから飛び出していったものは弾丸などではなく、マシンガンの奇妙に迫り出した部位がパカリと開いた場所から発射された六発程の小型ミサイルだったからである。
ほむらは気絶した。
そして恭介は、先程までの威勢の良さも熱い程の覇気も抜け落ちてしまったような顔でそのミサイルの軌道を目で追う。
恭介は見た。ミサイルは、まるで我先にと獲物に群がるように化け物に向かって飛んでいき───そして、その身体に着弾した。
閃光、加えて爆炎
その光景は恭介の網膜に焼き付いた。
しかし、見た。
化け物がその触手からクロを取り落とす瞬間を、クロが地面に向かって落ちていく光景を。
そして、クロが一瞬だけ光に包まれた事を。
痛みか驚きか、激しく身体をよじらした化け物は自らに危害を加えたらしき恭介に向かって触手を伸ばしてきた。
もはや躱せる訳もなく、ただぼんやりと恭介はその様を見ていた。
猛烈な勢いでせまる、その『死』に恭介は冷静とも呼べる面持ちだった。
たとえ、ここで死んだとしても、もしかしたら後悔はないかもしれないとさえ思えるほどだった。
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