660:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/30(火) 23:38:35.25 ID:pNxIW9DDO
────『彼』が目覚めたのは降下の途中だった。
自らが空を切り裂く感覚に、妙に居心地の悪い浮遊感から彼は全てを察した。
どうやら死にぞこなったらしい。
地面が近い、彼は体勢を変えて地面に降り立つ準備を取る。
苛立ちがあった。
情けなさがあった。
だが、今はそんな事はどうでも良かった。
ダン!と音がする程の激しい着地。
右手の辺りを見ると、そこには『さっきまでは』なかった右手があった。
ギュッと力強く握り締めた拳で、取り敢えず近くにいた『それ』をぶん殴る。
その小さな身体からは想像もできないほどの渾身の力が込められた拳をぶつけられたその黒い影のような化け物は吹っ飛んでいき、反対側の壁に直撃した。
恭介「やった……、やったあッ!!」
少年は待ちわびた。
その姿を信じていた。
その小さな姿、そのおよそ危機的状況には似合わない面倒くさそうな態度。
クロ「待たせたな」
その『男』の帰還を。
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