668:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/11/01(木) 19:57:51.00 ID:kMGO1+QDO
その言葉を聴いたクロは腕組みをしてため息を吐いた。
その行為はわざとらしく、それは彼なりの誤魔化しだったのだろう。
人に弱みを見せたくない彼らしさ。
その『らしさ』を理解しているが故にさやかはもう、そんな態度に苛立ちを覚える事はなかった。
さやか「ねぇ、クロ。私って本当にバカだね」
クロ「おぉ、とんだ大バカだぜ。折角の願いだっつーのに得体の知れない化け猫を助けた。どうしようもないお人好しだ」
言葉が堰を切ったように溢れた。
いや違う、言いたい事はそういう事ではなくて。
でも、なんというかそこまではっきり言うのも違うのだ。
つまり
クロ「……借りは返すぜ。百倍くらいにして」
これくらいが、一番だろう。
さやか「は、あははは!」
自分なりに納得できる答えを返せたと思っていたが、突然笑いだしたさやかにクロは少し納得がいかず怪訝な顔をしてさやかに顔を向けた。
クロ「テメー、なに笑って……げっ」
あまりに愉快そうな声で笑っていたから、クロはその驚きに固る。
彼にとって一番苦手とする物がそこにはあった。
さやかは笑いながら、涙を流していたのだ。
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