794:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/11/21(水) 23:43:58.01 ID:MCPUbT9DO
だが、恭介は自ら退路を断った。
言い訳も甘えも諦めも、簡単に許されてしまう。
しかし、その誘惑を振り切り続け、苦しみと共に有ることを望んだのだ。
そんな恭介に、クロはそれほど多くの言葉をかけるつもりはなかった。
クロ「まぁ、気張れよ」
男に、手向けの花は似合わない気がした。
恭介「それと、ですね。……さやか」
少し、しんみりとした空気が流れたが話はそれで終わりではなかったようで、恭介はさやかの方に首を向けた。
声をかけられて驚いたのだろうか、さやかは身体がはね上がっている。
恭介「さっき話してたろ?今しかないよ。ほらほら」
さやか「う、うん。分かった」
さやかは意を決したように足を一歩、車椅子の前に、つまりクロの目の前に向けた。
その遅々とした様子は、嫌々ながらというより恐る恐ると言った方が適切だ。
そして、いぶかしるクロの目の前にたったさやかは、一つ大きく息を吸ったかと思うと、それはもう、まさに振り下ろすがごとく頭を下げた。
さやか「今までごめん!」
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