795:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/11/22(木) 00:02:21.80 ID:xUu1tlmDO
今度こそ、クロは呆気に取られた。
謝った?さやかが?あんなに、もはや忌み嫌っていたと形容できる態度を見せていた美樹さやかが?
というより、そこまで謝られるような事を自分はしただろうかと思うも、まずは一言である。
クロ「んだよ、気持ちわりーな。気にすんなよ」
さやか「そういう訳にはいかないんだ……」
クロの言葉に、さやかはゆっくりと首を振った。
彼女は、自分がどんなに勝手な事を言ってきたか、それくらい分からないほど愚かではない。
一々クロの言葉に突っ掛かり、もっと酷い事も言った。
それこそ、いっその事あやまらない方が良いのではないかとも思った。
しかし、それではダメなのだ。
前に進むと自分の思い人が決めた時、そしてそんな彼を支えたいと思った。
そして、今のままの自分で良いはずがない事も理解した。
都合の良い考えで、都合の悪いモノを排除しようとする。
自分の中にはそんな嫌な自分がいる。
その全てを正すことはできないかもしれない。
だからこそ、今この瞬間は正しい事がしたかった。
さやか「本当に、ごめんなさい」
そして
さやか「そ、それから。あ、あり、ありが」
精一杯のお礼を、照れ臭くて仕方がないけどそれでも言いたい。
感謝を、敬意を、この黒猫に示したかった。
────示したかったのに。
クロ「恭介、餞別だ!」
さやか「……へ?」
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