951:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/19(水) 21:20:24.49 ID:5s7jWz1DO
────鹿目家・前
外に出てから、軽く振り返って家を眺めた。
この家に住むまで、彼女と出会ってから長くて、この家に住んでから、家族と過ごした日々も長かった。
これからも、きっと続いていくだろうか。
いや、続かなければならない。
自らの手で、掴み続けなければならないのだから。
この家に、降り掛かる悪意や不幸から必ず守る。
そのために、自分はいるのだから。
知久は顔を前に向けた。
正確に言えば、家の塀の前でヒョコヒョコと揺れている黒い影に。
知久「何をしているんですか?」
外から、なんとかして家の中を覗こうとしていた影は動きを止めた。
用心と、細心の注意を払いながら知久は塀の向こう、つまり影がいる方に歩いていった。
そして、その影がはっきりと見える場所まで来た時、知久は面食らった。
「あぁ、いやぁ、申し訳ない。驚かせてしまいましたか!ハッハッハッハ!!」
その姿を見られた途端、そこにいた影───男は申し訳なさそうにした次の瞬間には大声で笑い始めたのだ。
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