952:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/19(水) 21:36:23.26 ID:5s7jWz1DO
まず、知久は、その男の体躯に圧倒された。
成人男性で、平均より少し上ほどの身長である自分が、見上げるほどの大男で、それでいて、ふくよかに出っ張った腹。
まるで、アニメに出てくる熊のようだ。
その顔に黒々と生えているヒゲもその印象を濃くしている。
しかし、その男が最も、他の追随を許さぬくらいにおかしなところはまだあった。
それは
知久「……猫耳」
その男は、自分の身体にピッタリと、それはもうピッタリとサイズが合っている黒猫の着ぐるみに身を包んでいたのだ。
思考が、止まる。
脳が、理解を拒否している。
どうすればいいのか、どうしたら、どうなるのか、さっぱり分からない。
───取り敢えず
知久「……すみません、警察ですか?」
猫男「あー!待って下さい!怪しい者ですが、危うい者ではないんです!!」
携帯を片手に握った知久に対し、大慌てで男が声をかけた。
知久は、その男をジッと見ながら、携帯をパチリと閉じた。
知久「かけてませんよ。そもそも、使えなかった。圏外になっているので」
見透かすような眼を、知久は緩めない。
その顔に、男はため息をついた。
猫男「ここのお巡りさんとは顔馴染みではないんです。すまないが、この辺一体に電波妨害を張らしてもらいました」
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