954:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/19(水) 22:13:10.09 ID:5s7jWz1DO
快活に話す男、ならば、少し踏み込んでも大丈夫だろうと知久は判断する。
知久「あなたは、ここで何をしているのですか?」
もう一度尋ねた。
猫男「いえ、彼の様子を身に来たのですが、良かった。相も変わらず元気だ」
答えは返ってきた。
予想もしない答えだった。
知久「彼?……じゃあクロ君の知り合いなのかい?どおりで外を気にしていたはずだ」
猫男「おぉ、やはりあの金髪のお嬢さんに抱き上げられていた時にこちらを見ていたのはそういう事でしたか!」
なるほど、なるほどと一人ウンウンと納得している男の前で、知久は考えこむ。
クロは、彼自身が述べたように異世界の住民である。
そんな彼の知り合い、つまりクロにとって元の世界から来た人物の登場。
知久「あなたは、あなたの目的は、なんですか」
何故、何故こんなにも緊張しているのだろう。
分からない、何も分からない。
声が震えている。
猫男「この世界における私の目的は、あります。だが、まだ然るべき時ではありません。───しかし、必ず、その時はやってきます」
知久は、もう喋らない。
その男の言葉の全て、一語一句を聞き漏らさないように神経を集中させる。
猫男「あなたにも、あるはずですよ。この世界、この時間における役目が、果たすべき眠っている役割がね」
今度は逆に、男が知久に向かって歩いてくる。
動けない。
言葉が、知久の足に絡み付いていた。
そして、目の前まで男が来た時、男の唇が小さく動いた。
猫男「……奥さんやお子さんから目を離さない方がいい。何人か片付けたが、この家は見張られている」
知久「なッ!?」
猫男は、そのまま知久を通り過ぎていき、ノッソノッソと走り去ってしまった。
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