968:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/21(金) 16:30:36.55 ID:hZBsj6hDO
─────見滝原・住宅街
息が上がる。
道を足で思い切り蹴り上げるたびに、口に、鼻に飛び込んでくる風のせいで、呼吸も上手くいかない。
本来であれば、自転車で移動した方が早いはずなのに、そんな事すら考える余裕がなかった。
知久「はッ、はッ、はッ──はァッ」
あの男からの忠告を聞いたら、もうこうする事以外にないように思えてならなかった。
妻と子供から目を離すな、その言葉が真実なのかどうかを考える暇などない。
兎に角、今は無事を確認する事が先決だ。
つい先ほど、知り合いに連絡したところ、もう既に、詢子は会社を退社したらしい。
ならば、今、彼女はタツヤの保育園に向かっている事になる。
知久(大丈夫だ。…大丈夫。絶対、大丈夫だ)
「うわっ!?」
ドスンッと何かが身体に思い切りぶつかった感触があった。
慌てて気が付くと、目の前で赤毛の少女が尻餅をついている。
知久「ご、ごめんなさい!」
「あ、おいコラ!待てよ!!」
しかし、今は気にする事はできなかい。
申し訳ないという気持ちより先を急ぐ気持ちの方が先だった。
そのまま、少女を無視して走り去った。
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