過去ログ - 女「ちょwww私の脊髄とるのwwwwwやめwwww痛いwwww」
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22:『コペイン』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2012/08/19(日) 02:25:10.16 ID:+rsVUWK9o
 -W-


ぼくがクリーム色の引き戸をがらっと開けると、教師と生徒達が一斉に後ろを向きこちらに
両眼を向けた刹那にもう彼らの視線は何事も無かったように元の場所に戻っている。

ぼくは教室の入り口に棒立ちになり、誰もいないのと変わらない空間を見回す。

教室に入ってすぐ左に所々が赤錆びた灰色の掃除用具入れがあり、
続いて私物を掛けておく屠殺用のフックが吊しているのは、アルファベット塗れのトートバッグ、
綻《ほころ》びのある青黒いニット帽、
プラスチック製の洒落た巾着袋、
使い込まれしわくちゃになった緑色のジャンパー、
小さな水玉が散点する骨の折れたビニール傘、
羞恥に欠けた剥き出しの生理用ナプキン袋、
抽象的な白熊の人形、
泥で汚れている中身の入ったコンビニのビニール袋……。
一番端にある光沢の無い鼠色の鉤《かぎ》だけが、次に吊される何かをじっと待っている。

そのまま奧まで突き進むと、白いフレームに囲まれた引き違い窓が円筒形に縛られた
厚く長い大きな砂色のカーテンに挟まれていて、そのセットが四つ、
教室の前部まで填《は》め込まれている。
それらは教室という強制《矯正》収容所の構成成分でありながら生徒自体には寛容であり、
西瓜割り用に出口を常に開放している。

窓が部屋の隅で途切れると、ゆるやかな凹型をした大きめの黒板の前で職業教師が苛立っている。
そんな所に突っ立ってないで早く座れ。


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