過去ログ - 女「ちょwww私の脊髄とるのwwwwwやめwwww痛いwwww」
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24:『コペイン』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2012/08/19(日) 02:26:33.46 ID:+rsVUWK9o
けたたましく喚《わめ》く四〇代の中肉中背のコメディアンが描く不気味な線形の記号を正確に
模写しつつ、ぼくは目立たないように教室の一点に視線を運ぶ。

縦三列横三列目、三十五席ある机群のほぼ中心にある机の上に、
くすんだ白藍《しらあい》の空《から》の花瓶がぽつんと置かれている。

かつてそこに座っていた、美女とも醜女《しゅうじょ》ともつかない、見た瞬間に忘れ去られてしまう
容貌をしている生徒、両手首に無数のリスカット痕が赤い細糸でじぐざぐに縫い込まれたように皮膚を
這っている――実際に一部の傷は深く抉《えぐ》れ縫合糸で縫われている――ひとりの少女の姿を、
ぼくは思い出す。

いつも独りだがそれは決して孤高にあるのではなくただ人との付き合い方を知らないだけという
技術的な問題を抱えた寡黙な人間。火に掛けられ血液が煮えたぎり、その蒸気の圧力で身体が
破裂しそうな時、そのガスを逃がすために自分自身に穴を空ける術しか知らない人間。
世界中の人間全てが自分を人間未満の異形だと糾弾していると本気で信じている人間。
リーダーに通せばそういう人間だとレジの画面が表示する、
両腕に黒ずんだ紅いバーコードを付けた少女。

死因は頸動脈及び椎骨動脈閉塞による低酸素症。父親が持っていた革製のベルト、
コンビニで売っているような安手のハンドタオル、そしてドアノブを使用した非定型縊死。自殺。


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