過去ログ - 女「ちょwww私の脊髄とるのwwwwwやめwwww痛いwwww」
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37:『コペイン』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2012/08/19(日) 02:39:15.16 ID:+rsVUWK9o
ぼくはないよ。

え?

この世界に辛いことなんてない。

……。

この世界は幸せだ。辛いことがもし在ったとしても、
「辛」という字に一本の線を足す程度じゃないかな。

そう、そうかもね……。彼女が深刻な顔をしていた。

ぼく達はそのまま、無言で少し歩いた。

でも、君もきっとさ……、これから良いことがあるよ。何かを察した彼女が言った。
君が今まで、ずっと辛い思いをして来た分。そのことにだって、意味がある筈だし。

意味……。意味。意味があった例《ためし》があったかどうか、ぼくが記憶の糸を手繰った。

「明けない夜は無い」って先生が言ってた。それに……。

それに?

それに、話してくれれば、きっと君の辛さを分かってくれる人、いると思う。トラウマや辛い経験は、
人に話すのが一番の癒しだから。信頼できる人に話すべきだよ。
彼女が精一杯の激励をした。

ぼく達を頼りなく照らしていた棒状の電灯が、その時消えた。
元々じじじと音を立てながら赤色化し、最期を迎えてもすぐに付け替えられる古びた明りは、
あっけなくどす黒い闇に呑み込まれた。
彼女とぼくも墨汁を頭から掛けられたように真っ黒に染まるが、ぼくの皮膚はそれを体内に
浸透させた。やがて黒液の一滴がぼくの芯の部分に落ちた時、ぼくの口から墨汁がどぼどぼ流れ出た。

ほら、あれ。

何?

暗い所からだと、明るい所がよく見える。

そうだね。

明るい所からだと、暗い所は見えない。

うん……。

それから、暗い所からだと、暗い所が少し見える。

何を言ってるの?

これから君の身に起こることだよ。


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