過去ログ - 女「ちょwww私の脊髄とるのwwwwwやめwwww痛いwwww」
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『コペイン』
◆k6VgDYkyGI
[saga]
2012/08/19(日) 02:41:32.66 ID:+rsVUWK9o
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午後十二時きっかり、表皮をじりじり焼く真昼の熱気の中、ぼくは大きな鉄塊が猛スピードで肉塊を
求め流れる、片道二車線の挽肉製造レーンの隣をふらふらと歩いている。
三日間、不眠不休で作業をしていたぼくはアスファルトが作り出す蜃気楼の向こうからやって来る
一台の黄色いタクシーを認め、のろりと手を上げる。すぐに黄色いタクシーはキュッという
アスファルトに削られる音を出して路肩にいるぼくのすぐ横で止まり、音も無くそのドアを開ける。
すみません、助手席に乗らせてもらえませんか。
ぼくは薄暗い車内に首だけを突っ込んで言う。
怪訝な顔をするタクシードライバー。
ぼく、昔、後部座席で遊んでいたらドアが開いて外に放り出されたことがあるんです。それ以来、
車の後ろの席に乗るのが怖くて。
それだけ言うと、言葉をそこに残してぼくは助手席へと回りこむ。助手席のドアが開き、
ぼくはよく冷房の利いた棺桶に乗り込む。
何処まで行くの?
タクシードライバーが扉を閉める。
駅前の繁華街まで。
ぼくがシートベルトを締める。
それだけ文言を交すと、排気音を上げて車が走りだす。そして、一定の速度が出た所でぼくが
ポケットから折りたたみ式のナイフを取り出して刃を出そうとカチャカチャやっていると、
音に反応したタクシードライバーが横目でぼくをちらちら見ながら、
それでも何も言わず運転を続けている。
刃が剥き出しになる。
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