過去ログ - 【咲-saki-】京太郎「俺がギャルゲー主じｒｙ」？？「見　つ　け　た」透華「！？」 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲-saki-】京太郎「俺がギャルゲー主じｒｙ」？？「見　つ　け　た」透華「！？」

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623: ◆LA9PoGiCNE[saga]
2012/08/29(水) 17:26:41.72 ID:1jAKWwN0o
　手を洗い終え、ポケットから取り出したハンカチで手を拭きながら続ける。

？？「今お前……ここは一番頑張ろうと思っていただろう」

京太郎「それは……当たり前じゃないですか」

　いつからかは知らないが、今行われている対局を見ての言葉だろう。
　内心、情けないところを見られていたと恥じ入りながら、勝負に対して頑張ろうと思わない人間などいないはずだ、そんな言葉を返した京太郎に、白髪の壮年はものを知らない子を見るような、小馬鹿にした笑みを浮かべた。

？？「その考えが……すでにはまってるのさ。これから試されるのは、今お前が持ってるような勝とうとする意志じゃないいぇんいぇんそんなもの邪魔なだけだ」

　ハンカチを仕舞い、代わりに胸ポケットから煙草を取り出して咥える。

？？「ただ普通にいつもの打ち方をする――――そういうことが試される」

　平常心、短く一言そう告げて煙草に火を点け、白髪の壮年は背を向けた。

？？「お前の麻雀のステップは拙いが、もっと軽かったはずだ。それが今はべた足でドタバタと見苦しいったらない……」

　肩越しの視線は思いのほか温かい。
　細く紫煙を吐き出して、示唆してくる。

？？「思い出しな……泳ぎを」

京太郎「………………」

　当たっている……見事に言い当てられている。
　見ず知らずのはずの自分に、何故こんなアドバイスじみたことを言ってくるのか。
　困惑した顔で見つめる京太郎に、白髪の壮年は小さく笑って、今度こそ背を向けた。

？？「お前は今、自分の心に溺れている。そんなザマじゃ苦戦するぜ――――京ちゃん」

京太郎「――――――――ッ！？」

　氷解するっ……！
　扉が閉じる直前に残された呼び方に、京太郎の疑問は驚くほどすんなり解消した。

京太郎「待ってくださいっ！！」

和「キャッ！？　す、須賀君……！？」

？？「…………」

　勢いよく扉を開けて出てきた京太郎に、和が戸惑った声を上げたが無視して、店を出ようとしていた白髪の壮年に呼び掛ける。

京太郎「名前っ……名前を教えてください……！　あんた……あなたは、もしかして――――！！」

　必死に叫ぶ。
　扉に手を掛けたまま立ち止まり、ゆっくりと白髪の壮年が振り返った。

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