過去ログ - 【咲：安価で】京太郎「ワイルド・ウェスト？」やえ「２だな！」【西部劇！】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価で】京太郎「ワイルド・ウェスト？」やえ「２だな！」【西部劇！】

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447: ◆g1RagFcnhw[saga]
2012/08/28(火) 23:10:59.84 ID:PmdsxkM60
赤土晴絵は大スターだったが、酒が入ると何を言い出すか分からなかった。
それは一座の全ての人間が知っている事であり、春絵自身もその悪癖を申し訳なく思いながらも許してくれる皆に感謝をしていた。
――が、しかし。その日は、たった一人だけその事実を知らない人間がいた。

指導役の、ガンマンである。

＊＊(あえて名前は伏せる事にする)「こんにちはー」ｶﾞﾁｬ

彼女が入ってきた時点でもう酒盛りは始まって半ばという所で、ちょうど皆いい感じに酒が入ってきている状態にあった。

スタッフ「お、きたきた！すいません＊＊さん、酒となると皆飛びついちゃって」

＊＊「いえ、大丈夫ですよ」ﾆｺｯ

スタッフ「そうですか？ありがとうございますどうも……おい皆ァ！＊＊さんもそう言ってくれてる訳だし、じゃんじゃん飲むぞー！！」

スタッフの一人が発破をかけ、皆がそれに続くようにどんちゃん騒ぎを加速させていく。
＊＊もその様子を笑いながら見ていたのだが、そんな彼女に背後から抱きつく者があった。

晴絵「＊＊ちゃーん」ﾀﾞｷｯ

＊＊「わひゃあ！あ、何だ赤土さんかぁ。驚かさないで下さいよもう」ｱﾊﾊ

晴絵「晴絵でいいわよー……ぬふふふ、＊＊ちゃん結婚とかできそうな顔してるわねぇ。彼氏とかいないのー？」

＊＊「なっ、いませんよまだ！まだまだこれからです！！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

晴絵「またまたぁ、気づいたら行き遅れるぞー、なーんちゃってね」

＊＊「ま、まさかそんな……」

一瞬絶望的な表情で晴絵を見た＊＊だったが、彼女の表情を見てすぐにそれが冗談だと理解した。

＊＊「……ってもう！冗談はやめてよー！」

晴絵「えへへ、まぁそんな怒らないで怒らないで……はい！お酒をつぎましょーねー！！」ｺﾎﾟｺﾎﾟｺﾎﾟ

いつも通りの酔っ払い・ジョークを飛ばしながら晴絵は＊＊のコップへ酒をついだ。
それを見て＊＊が言う。

＊＊「わ、私まだ十七なので、その……」

遠慮がちに放たれたその言葉を聞いて、晴絵は自然に――そう自然に――言ってしまった。

晴絵「え？＊＊ちゃん十七なの？見えなかった。アラサー？フォー？ぐらいに見えたわー。あー、老け顔だったのかなーアハハハ」

――結論から言えば、死者は出なかった。

しかし、演劇の為に作った舞台は燃え盛り、ガンマンはそのままこの街を去った。
スタッフも公演を取りやめ、赤土春絵は『酒の席で喋らせるとマズい奴』というレッテルを張られ、やがて仕事の量も減っていったという――。

重ねて言うが、この＊＊は念のため名前を伏せているのである。決して、詮索をしてはならない――。

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