過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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12:2/2[saga]
2012/08/22(水) 23:32:54.52 ID:zi9nDhH8o
「小鳥さん、俺いま何か言いましたっけ?」

『お疲れ様です』なんて言葉はあってないようなもので、相手に疲れた様子が見受けられなくとも使う。
それほど慣用化された挨拶の中に、これといって大きな意味は無いと思うんだが……どうなんだろう?

「な、なんでもないんですよ! ねぇ、律子さん?」

飛び立たんばかりに手をバタバタと羽ばたかせながら、小鳥さんは慌てて律子に声をかける。
その律子は顔を背け、小鳥さんと目を合わせずにポツリと呟いた。

「何でもないこともないですけど……」

「コ、コラッ!」

キャッキャウフフと表現すればいいのだろうか……。
ニヤニヤと笑みを浮かべる律子と、顔を真っ赤にして腕を振り回す小鳥さん。

なんとなく良いものが見れた気がして、少し得したような気分になる。

「あのぅ律子さん、ちょっといいですか?」

「はいはい、何かしら?」

二匹の子猫のじゃれあいを中断させて、春香がそのうちの一匹を連れて行ってしまった。
依然としてガラガラ音を立てる扇風機が、その二人を追いかけるように首を振る。

そして俺の目の前に座った、残された方の一匹はというと………。

「はぁ」

車中の春香と同じように小さく短い溜息を付いて、俺の顔をチラリと見た。
……かと思えば、またまた顔を赤くして即座に視線をパソコンへと戻した。
そうして俺が『一体なんなのだろう……?』と不審に思うまもなく、

「……コホン」

ヒヨコの鳴き声のように小さな咳払いを一つ。

「コーヒーでも……い、淹れましょうか?」

「でしたら……砂糖は無しで、薄めに作ってもらえますか?」

「は、はい」

気まずそうに席を立ち、そそくさと給湯室へ消えていく。
俺達が居ない間に律子と二人で何か話しをしていて、それであの反応だったのだろう。
しかし……もしそうだとしても、一体全体何の話をしていたんだろうな。

あれだけ赤面してしまうのだから、余程のことなのかもしれないが……。
小鳥さんの様子からでは、その会話を予想することは出来ない。


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