過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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18:4/4[saga]
2012/08/23(木) 00:29:56.57 ID:QXBHTeFZo
「春香ちゃん?」

「ぅひゃぁ!!」

「プロデューサーさんが呼んで……ってどうしたの?」

悪い意味でのベストタイミングで、背中から小鳥さんの声が聞こえた。
思わず叫びにも似た声を挙げて後ろを振り返ると、小鳥さんが首を傾げて立っていた。

「いえいえ、なんでもございませんですよ!」

「ございませんって……変な春香ちゃん」

「あ、あはは……」

とにかく小鳥さんの不憫度が増してしまう前に、なんとかして二人をくっつけないと。

腕組みをする律子さんにそっと目配せすると、得意げにメガネをクイッと挙げて微笑んだ。
その姿を見てしまった小鳥さんはさらに混乱してしまったようで、
名前に相応しく小鳥のような動きで、律子さんと私の顔を交互に見比べていた。

「も〜ぅ、二人して私の悪口言ってたんでしょ?」

「ち、違いますって……むしろ良い方ですよ!」

「ホントにぃ?」

「モッチモッチ、ロンロンです!」

「夢のマロン社? 春香ちゃん、それ古いわよ……うふふっ」

一体何の話をしているのか分からないけど、小鳥さんは嬉しそうに笑っている。

その笑顔を家でも味わえるのは、かなり魅力的だとプロデューサーさんは言った。
自分のことを恋愛対象として見てくれるなら、とても嬉しいことだと小鳥さんは言った。

あと少し……あともう少しで二人のそうした想いが通じ合えるのに。
本当にこの二人はもどかしい。

「小鳥さん」

「はい?」

「ファイトですよっ! ファイト!」

「お、おー!」

わけがわからないといった顔をしつつも、私を真似て拳を振り上げると、
小鳥さんはその体勢のまま照れくさそうに俯いて、

「二人にもコーヒー淹れてこないと……」

顔を真っ赤にして、半ば逃げるように去っていった。

「大丈夫かなぁ……小鳥さん」

いつもは恥ずかしげもなく、恥ずかしいことを平気で言うような人なのに。
こういうちょっとした、大したことのないものには恥じらいを見せる。

プロデューサーさんが惹かれるのは、案外こういうところなのかな?


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