過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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26:3/3[saga]
2012/08/24(金) 00:27:36.08 ID:+gymnPO2o
好きか嫌いかの次は、小鳥さんを飲みに誘えと来たか。
一体どういうつまりなんだろうか、小悪魔笑みを浮かべるこのアイドルは。

とここまで話したところで、頼れる765プロの足、少し古めの軽自動車の元へたどり着いた。
上手いこと話が終わってくれたらよかったのだが、そうは問屋が卸さないらしい。

「オーライですっ!」

「あぁサンキュー」

駐車場から交通量の多い道路へと飛び出す。
となれば、中断していた会話がまた再開されるということだ。

「何度か食事に行ったりしてると、なんとなーく相手の考えが分かってくるじゃないですか」

「そうか?」

「少なくとも好感を持たれているかどうかぐらいは」

「随分アバウトなんだな」

まぁ確かに、ボンヤリとしたものではあるだろうが、掴めてくるのかもしれない。

「ダメっぽかったらそれはそれで仕方ないですけど、
 ただの食事なんですから、気まずくなることもギクシャクすることも無いでしょう?」

「まぁな」

「だから食事に誘えばいいんですよ!」

「う〜ん」

「恋愛に発展すれば儲けもんですし、そうじゃなくても
 あくまでも仕事仲間として親睦を深める為に誘ったってことに出来るんです」

「つまり、逃げ道があると」

「イエスザッツライト!」

「うん……そうだ……そうだよな!」

だんだんとテンションを上げて熱弁を振るう春香に半ば押されるような形で、
俺の中にあるちっぽけな勇気が沸々と拳を握り始めた。

きっと今の俺のような状況を『まんまと乗せられた』と言うのだろう。

まぁしかし、あくまでも色恋方面の発展は無いと思っているが、
日頃お世話になっているわけだし、その感謝の意を込めて
ご飯を奢らせてもらうっていうのも、たまには良いのかもしれないな。

「思い立ったがナントカですし、今日誘っちゃいましょう!」

「吉日な……よし、事務所に戻ったら誘ってみるよ」

「はい!」

春香は満足げに頷きながら、小さくガッツポーズをとっている。
人のことだろうに、何がそんなに嬉しいのやら。
いや……人事だからこそ、純粋に楽しめるのかもしれないな。

イヤホンを耳に付け、新曲のデモを聞きながら鼻歌を歌い始めた春香。

その横で平静を装う俺だったが、内心は緊張が身体を支配し始め、
それがアクセルを踏む足に伝わり、予想以上に車を急加速させてしまった。

「はは……こりゃ先が思いやられるよ」

会話のクラッチを繋ぎ損なってエンストしなければいいが……大丈夫だろうか?


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