過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
1- 20
40:4/4[saga]
2012/08/24(金) 00:54:15.79 ID:+gymnPO2o
「フフフッ」

「どうして笑うんですか? プロデューサーさん」

「いえ……な、なんでもないですよ………ふふっ」

「どーせ私が昭和臭いこと言ったから笑ってるんでしょ!」

「わかってるじゃないですか」

「むぅ〜」

頬を膨らませては、俺にジト目を向ける小鳥さん。
少しいたずらが過ぎたかと思ったが、その顔はすぐに笑顔にシフトされた。

「いいんですかプロデューサーさん? ドタキャンしちゃいますよー?」

「それは困りま………あっ!」

はい、本日のNGワードいただきました。
墓穴という名の穴を掘ることに関して言えば、小鳥さんは雪歩を凌駕する。
しかも大概の穴は大きく深いのだ。

「何をドタキャンするんですかプロデューサー?」

「……俺に振りますか」

口を滑らせた小鳥さんの言葉尻を捕まえて、すかさず律子が俺への尋問を開始した。
人差し指でメガネを上げる律子の姿は、さながらやり手の検察官だ。

それに引き換え、テンションを大幅に下げた小鳥さんは、
声の無き悲痛な叫びを挙げ、潤んだ瞳を俺に向けて助けを請う。
その上目遣いに当然ドキリとさせられたわけではあるが、今はそれどころではない。

春香はしょうがないとして、律子には食事に行くことを伏せておきたい。
別に大した理由があるわけではなく、ただ単に照れくさいだけなのだが……。

「アレだよ、コーヒーを淹れてくれるって話」

しかし自分でもこの言い訳はどうかと思う。
ただ、グラム数の少ない俺の脳髄から捻出されるものはこれくらいしかないのだ。
そこのところはご了承願いたいところである。

「だったら私が淹れてきます!」

「春香は“どんがる”からダメだ」

「そんな動詞はありません!」

ドタキャンの件を律子に掘り下げられるとビクビクしていたが、
春香のおかげで上手く誤魔化すことができた。

小鳥さんはホッとした様子で胸に手を当て、一度大きな溜息を付いた。
そして俺と目が合うと、舌を出して照れ笑いを浮かべるのだった。

「わぁ!」

ガッシャーン!!

「ほらみろ、言わんこっちゃない」

耳が割れんばかりの破壊音が朝の事務所に鳴り響いた。
『だっふんだ!!』じゃあるまいし、俺は馬鹿踊りをするつもりはないからな。
って、小鳥さんぐらいしか分からないかこのネタは……。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
77Res/124.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice