過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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53:2/2[saga]
2012/08/24(金) 01:21:12.30 ID:+gymnPO2o
俺はもう覚悟を決めた。
臆病者と罵られても言い返せないほど臆病な俺だが、一応は男の端くれだ。
この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ
……よし! 覚悟完了!
「小鳥さん」
「……はい」
「こういうのは初めてなので、上手く言えるかわかりませんけど………」
「は、はい」
さすがに小鳥さんも俺が何を言おうとしているか分かったようで、
緊張した面持ちで、頷きながらゴクリと生唾を飲んだ。
対する俺は、リンゴぐらいなら潰せそうな強い力で拳を握り締めていた。
「好きです、貴方のことが」
「…………」
初めて知ったことだが、告白はする前よりもした後の方が緊張する。
想いを伝えた後、その返事が帰ってくるまでの永遠のように長い長い時間。
告白したことへの後悔の念や結果への恐れを感じたり、
断られたときの惨めな気持ちを想像してしまったり、
これから先、気まずいままで仕事をしなくてはならないのかと軽く絶望したり……。
いろいろな感情が頭の中をぐるぐる廻って、徐々に大きくなる。
「あ、あ……あ………」
余程驚いたのか、小鳥さんは焦点の合わぬ目を俺に向けて、
その名に相応しく、巣の中で小さな身体を寄せ合っては
親鳥に餌をねだる雛のように、開け放たれた口をパクパクと動かしていた。
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