過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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2012/08/24(金) 01:42:56.00 ID:+gymnPO2o
「春香ちゃん、おっはよー!」
「お、おはようござい……ます」
「いやぁー今日も良い天気ねぇ〜」
「そ、そうですね」
「こんな日には歌いたくなっちゃうわー」
「そ、そうですか」
「朝だあーさーだーよぉ〜♪ きぼぉ〜の朝ぁだー♪」
もっとオカシイ……いや、もっともオカシイのはこの事務員ね。
基本的に小鳥さんがハイテンションな時の、その由来は健全なものじゃない場合が多い。
言い換えると、小鳥さんは健全でないものによってハイテンションになる。
となれば今朝のこのハイテンションは一体………。
「あっ律子さん! ちょちょちょちょっと!」
私の顔を見るなり、春香は闘牛士に突進する雄牛のような勢いで近づいてきた。
その勢いに押されて壁際にまで追いやられた私に顔を近づける。
「あの……プロデューサーさん、なんかオカシクないですか?」
依然として無機質なプロデューサーを横目に見ながら、
春香はオネェを意味するジェスチャーのように口を手で覆い隠し、そっと小声で呟いた。
「精根尽き果てたっていうか……なんでしょう? あの……真っ白に燃え尽きたみたいな?」
「やっぱりそう見えるわよね」
「えぇ」
私達の密談に気付いていないプロデューサーからは、依然として覇気は感じられない。
ただ、自分でもそのテンションの低さを気にしているのか、
受験勉強中の苦学浪人生が眠気を振り切ろうとするように、
もしくは水を被った犬がそうするように、首をブルブルと振っている。
「あの……小鳥さんも、オカシクないですか?」
「そうね」
「元気モリモリっていうか……なんでしょう? あの……最高にハイってやつだー!みたいな?」
「やっぱりそう見えるわよね」
「えぇ」
今度は小鳥さんに目を向けてみる。
拭き掃除を終えた小鳥さんは 『よっこいしょーいち』 と自分の席につき、
一世代前のOSの入ったデスクトップPCが立ち上がるのを待っていた。
いつのまにか鼻歌のナンバーも変わっており、古い歌だからなのか、
どの曲の鼻歌バージョンであるかは、私にも春香にも分からなかった。
「昨日……なにかあったんですかね?」
「海老で鯛を釣る」
「はい?」
「多分に……」
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