過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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60:2/3[saga]
2012/08/24(金) 01:42:56.00 ID:+gymnPO2o
「春香ちゃん、おっはよー!」

「お、おはようござい……ます」

「いやぁー今日も良い天気ねぇ〜」

「そ、そうですね」

「こんな日には歌いたくなっちゃうわー」

「そ、そうですか」

「朝だあーさーだーよぉ〜♪ きぼぉ〜の朝ぁだー♪」

もっとオカシイ……いや、もっともオカシイのはこの事務員ね。

基本的に小鳥さんがハイテンションな時の、その由来は健全なものじゃない場合が多い。
言い換えると、小鳥さんは健全でないものによってハイテンションになる。
となれば今朝のこのハイテンションは一体………。

「あっ律子さん! ちょちょちょちょっと!」

私の顔を見るなり、春香は闘牛士に突進する雄牛のような勢いで近づいてきた。
その勢いに押されて壁際にまで追いやられた私に顔を近づける。

「あの……プロデューサーさん、なんかオカシクないですか?」

依然として無機質なプロデューサーを横目に見ながら、
春香はオネェを意味するジェスチャーのように口を手で覆い隠し、そっと小声で呟いた。

「精根尽き果てたっていうか……なんでしょう? あの……真っ白に燃え尽きたみたいな?」

「やっぱりそう見えるわよね」

「えぇ」

私達の密談に気付いていないプロデューサーからは、依然として覇気は感じられない。

ただ、自分でもそのテンションの低さを気にしているのか、
受験勉強中の苦学浪人生が眠気を振り切ろうとするように、
もしくは水を被った犬がそうするように、首をブルブルと振っている。

「あの……小鳥さんも、オカシクないですか?」

「そうね」

「元気モリモリっていうか……なんでしょう? あの……最高にハイってやつだー!みたいな?」

「やっぱりそう見えるわよね」

「えぇ」

今度は小鳥さんに目を向けてみる。

拭き掃除を終えた小鳥さんは 『よっこいしょーいち』 と自分の席につき、
一世代前のOSの入ったデスクトップPCが立ち上がるのを待っていた。

いつのまにか鼻歌のナンバーも変わっており、古い歌だからなのか、
どの曲の鼻歌バージョンであるかは、私にも春香にも分からなかった。

「昨日……なにかあったんですかね?」

「海老で鯛を釣る」

「はい?」

「多分に……」


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