過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART3【安価】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART3【安価】

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702: ◆c.38a0Ec1E[saga]
2012/08/26(日) 13:50:30.70 ID:Bpn4q/Tu0

京太郎「……、え、と。宮永先輩」

照「照で良い」

菫「……」

一瞬だけ弛緩した空気が、再び凍った。

本当にこの人は。

何がしたいんだろうか？

照「523号室。覚えた、自分の部屋の番号」

京太郎「そうですか。それはおめでとうございます。でも宮永先輩、今それを言われても、俺にはどうしたら良いか分かりません」

照「照で良い。昨日須賀君に言われたから覚えた。これでもう迷わない」

……、場の空気が。

へにょれていく……。

京太郎「……そうですか。でも、部屋番号を覚えることと迷子にならないことは違うと思いますよ宮永先輩」

菫「……ちょっと待て。部屋番号を覚えた、って。何の話だ」

頭を抑えながら、弘世先輩が割って入ってくる。

俺だって頭を抑えたい気分だ。

京太郎「……、宮永先輩は、自分の部屋番号が分かっていないのにあちこち探し回っていたみたいです。それで、何故か俺の部屋の前でうろついてました」

照「照で良い」

菫「……それで？」

京太郎「宮永先輩に自分の部屋番号を覚えるように言った後、お腹が空いたので一歩も動きたくないと先輩が言うので、仕方なくルームサービスを呼びました」

照「照で良い」

菫「それで？」

話せば話すほど、場の空気がへにょれていく。

既に弘世先輩の声に先ほどまでの冷たさはなく、代わりに必死に頭を抑える姿がそこにあった。

京太郎「……、それだけです。俺も、何かあってからでは遅いので、ルームサービスの方に無理言って、その場に居てもらいました。断言します。宮永先輩とは食事をしただけです」

照「照で良い」

菫「お前は少し黙ってろ」

照「……」

じいと俺を見て無言の抗議。しかしそれに返す言葉はない。

京太郎「……とはいえ、宮永先輩と同室したことは事実です。罰則は受けます」

菫「……」

一分、二分と。天井を見上げた弘世先輩が、大きく息を吐いた。

いつも通りの表情の中に疲れが見える。

実際に部員を指導する疲れと、こういう事に対する精神的疲れの両方なんだろう。

申し訳なさを感じると共に、同じ疲れを自分も感じた。

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