過去ログ - 涼「嘘と裏切りと律子姉ちゃん」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:15:53.42 ID:NZSihzP+o
 覚えていられたのは、執拗に唾を塗り込める舌で体中が穢されたこと、膚と秘所にぬめぬめしたなにか――潤滑液だろう――をぬりたくられたこと、
全ての場所が指でなぞられ、開かれ、見つめられたこと、そして、体を割り裂くような痛み。

「ぐぅ……」

 体の中をかき混ぜられるような苦痛に呻く。
 吐き気がする。
 おぞましくて、情けなくて、怖くて、辛くて、寂しくて、哀しくて、むかっ腹が立って、そして、なによりもイタイ。

『あれ、結納までして、プロデューサーとまだしてなかったんだ』

 それまで冷静な口調を保っていた声が、それまでにはない幼く、明るい調子でそんなことを呟く。
 え?

「どうして……?」

 自分の声とは思えないようなしゃがれた声が、疑問を形作った。

 まだしていないというのは、処女の証を見たからだろう。

 けれど、結納のことを知っているのはどういうこと?
 私とあの人……プロデューサーが恋仲であることを知っている765プロの仲間たちにすら、そのことは伝えていない。それなのに、なぜ、この男が?

『あ、しまった。まあ、いいか』

 くすくすという笑い声。それと共に、私の目隠しがむしり取られた。
 その顔は、最初は逆光になって、よく見えなかった。ずっと暗闇に閉じ込められていた目が、天井の照明を受けて、ホワイトアウトしてしまったせいも
あるだろう。

 だけど。
 ああ、だけど。

 ぼんやりと見えていたものが確かな形になるにつれ、私の心にひびが刻まれる。


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