25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:26:57.81 ID:NZSihzP+o
「ね、律子姉ちゃん」
涼はしばらく私を見つめていたが、額に浮かんだ汗を拭ってから、声をかけてきた。
「律子姉ちゃん、僕を説得したりしないよね。なんで?」
「説得?」
「うん。素直に警察に出頭した方が良い、とか、未成年なんだからいまなら罪は……とかさ」
わずかな間を置いて、私は聞き返す。
「……まなみさんたちはそう言ったの?」
「うん」
そうか。
たしかに、そういう手もあったかも知れない。
だが、二人も殺している――と少なくとも当人は言っている――涼に警察に行こうなどと言えるものだろうか?
毎日毎日私に尽きぬ性欲を吐き出し、攻撃衝動のはけ口とし、昔のことをやり返すようにからかい、いじめ抜いているその行動を支える恨みの深さを
思って、なお翻意を促せるものだろうか。
いや、そもそも、私だけが解放されてどうする?
私自身の身は汚れ、そして、涼を守ることはもはや叶わないというのに。
「どうしたらいいのか、わからないのよ」
しかたなく、私はそんなことを言った。諦めているわけではないが、でも、だからといって……。
「そっか」
涼は興味深げな様子で私のほうを見ている。
私の体をなめるように見ているが、しかし、情欲に燃える目ではない、なにか考えているような……。
私はその目を見て、思いついたことを口にした。
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