794:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/14(日) 00:49:57.20 ID:YPPw5vRa0
阿知賀控え室のドア前
穏乃（ううっ、やっぱり少し緊張するなー。結局この試合もマイナス収支で、何とか負けは回避したものの、仲間が稼いでくれたトップの点棒を守りきれなかったからな）
穏乃「（けど私にできる全てをやり尽くしたのも確か。ここは胸を張って帰還しよう）みんな、だだいまーって！？」バタン（扉を開けて驚く）
キャプテン「リーチです」ふわっ（アナログ天使ミッポ降臨）
宥「穏乃ちゃん、お帰りー。お勤めご苦労さま（にこっ）」
穏乃「宥さん、目覚めたんですか？ ･･･って美穂子さん達はまだ続けていたんですか？」
宥「うん、オーラスの攻防時は一時中断して、みんなで鑑賞していたけどね。大将戦も終わったから再開したけど、凄いことになってるよ」
穏乃「凄いこと？」
灼「最初は玄に手も足も出なかったか美穂子さんが、大将戦後半の半ばあたりから拮抗し始めた」
穏乃「へー、美穂子さん、ウオッチャーとスキャンを併用するみたいなこと言っていたけど、その試みが上手くいったんだ？」
華菜「それもあるけど、それ以上にツキ具合がやばいにゃー。馬鹿ヅキって程じゃないけど、無駄ヅモはほとんどないし、二者択一で裏目を引くことがほとんどなくなったにゃー」
未春「ねえ、穏乃さん。超馬鹿ヅキ後のドツボ状態からの運気回復はどのあたりが上限なのですか？」
穏乃「上限って試したことないけど、もしかして打てば打つほど際限なく運気が上昇していく！？」
キャプテン「リーチ一発ツモで跳満。流石に玄さん相手に裏ドラは乗りませんが、これで逆転ですね（にこっ）」キラキラ（アナログ天使ミッポも微笑んでる）
晴絵「とうとう玄が捲くられたか」
玄「ううっ、連続トップ記録は八回で終了（涙）」
憧「玄はプラスだからまだいい方よ。あたしなんか五万点持ちの点棒からスタートして危うく飛ばされる所だったのよ」
キャプテン「お帰りなさい、穏乃さん。きちんと幻想と現実を切り分けたオーラスの判断は本当に見事でした」
華菜「幻想と現実？」
キャプテン「ええ、華菜。穏乃さんはまずは臨海が逆転の可能性のある和了牌を切るのを幻想として見切りをつけました。そして清澄の宮永さんはどんな状況からでもプラマイゼロにできる能力があるという現実に全てを賭けたのです」
未春「改めて聞くと凄いことですね。神視点から卓全体の全てを把握していた控え室の私たちの誰も思いつかなかったアイデアを、場にいて断片的な情報しか持たない穏乃さんが閃いたのですから」
穏乃「ううん、私は単に尻馬に乗っかっただけで、本当に凄いのは宮永さんだよ。私のしたことは誰にでも可能だけど、プラマイゼロは宮永さんにしか不可能だからね」
晴絵「それは違うぞ、穏乃。『コロンブスの卵』のように手本なしで最初に実戦するには難しい。ましてや遣り直しの効かない一発勝負の真っ只中なら尚の事だ」
キャプテン「そうですね。宮永さんのプラマイゼロに至るまでの四暗刻四槓子のプロセスは魔王級の名に恥じない凄まじいものでしたが、麻雀は体操のように手の芸術性を採点する競技ではありません」
キャプテン「私は人として知恵と勇気だけで結果を残した穏乃さんをより評価します。もしかしたら、今大会から魔物有利の特殊ルールに組み替えた運営側には何か別の思惑があるかのかもしれませんが、そんな裏事情は私たち選手には関係ないことですから」
憧「そうよ、しず。あんたは阿知賀のアンカーとしての責任を、最後まできちんと果たしたのだから自信を持ちなさい。後のことは美穂子が引き受けてくれるわよ」
穏乃「そうだね、憧。私はこれが精一杯だったけど、代表戦は宜しくお願いします、美穂子さん」
キャプテン「･････････････････････」
宥「美穂子ちゃん？」
玄（どうしたんだろ、美穂子さん？ ここは即答する場面なのに･･･）
晴絵「･･････さてと、こういう時に言い難いことを言うのが大人の務めだろうから、敢えて私が問題提起するとしようか」
灼「ハルちゃん？」
晴絵「阿知賀の代表は本当に美穂子でいいのか？」
憧「晴絵、ちょっとそれどういう意味よ？」
晴絵「代表戦には各校ともに最強の選手を送り出してくる。白糸台の宮永照のようにな。さっき美穂子の歯切れが悪いのも、自分より強い選手がいるのを分かっているからだ」
華菜「にゃー、この年増。美穂子先輩を侮辱･･････もがっ！？」
未春「華菜ちゃん、私たちは部外者なんだから、口を挟まないの」
キャプテン「いいのよ、華菜。赤土さんの言う通りです。今の阿知賀のエースは私でなく玄さんです」
玄「へっ？ 私？」
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