過去ログ - キャプテンが阿知賀に転校したら
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890:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/30(日) 15:52:08.79 ID:uWSvm32b0
9月 阿知賀女子麻雀部

穏乃「早いね。あのインターハイ団体戦の死闘からもう一カ月か。何か私たちが優勝したのが遠い夢物語だったような気がするよ(しみじみ)」

晴絵「夢ではないさ。その証拠があれだ」部室に飾られた優勝旗を指差す。

灼「補欠の私も優勝メダルなんか貰っちゃったし。入部までの経緯を考えると、色々と申し訳なくなってくる(赤面)」チラリ(肌身離さず身につけた胸元のメダルに触る)

晴絵「灼は宥の代役として、きちんと貢献したのだから恥じ入ることはないさ。誰一人欠けたとしても届くことはなかった六人全員の総合力で掴んだ勝利だ」

穏乃「阿知賀が団体戦で優勝できたのは望外の喜びでしたけど、意外といえば美穂子さんの個人戦でしたね。まさか美穂子さんが一日目のスイスドロー方式の予選を勝ち抜けずに予選落ちするとは。憧や池田さんですら、二日目の決勝トーナメントには勝ち残れたのに」

晴絵「そうか? 憧はこの展開をある程度予見していただろ? 延長戦での美穂子は効率無視のギャンブルの連続を続けてきた。あのような無謀な遣り方では数を打たせればアベレージを残せる筈はないさ」

灼「けど、その無茶を通さないと延長戦は絶対に勝てなかった」

晴絵「そうだ。だが一度身体に染み着いた打ち筋は簡単に修正できるものではないからな。その代償として美穂子は個人戦を失ったが悔いはないだろう。お前たち同様に美穂子も団体戦の勝利に拘っていたからな」

穏乃「私的には美穂子さん、少し燃え尽き症候群が入っていたと思いますよ。宮永さんや竹井さんに勝てたことで達してしまったのか、個人戦は団体戦を戦っていた時ほどの覇気や長期的展望をまるで感じられませんでしたから」

晴絵「一発勝負向けの今の戦闘スタイルと、アベレージを必要とする予選向けのかつての闘牌を上手く融合させて、戦局に応じて気持ちを切り替えられるようにするのが今後の美穂子の課題だろうな」

穏乃「アベレージといえば、個人戦の決勝卓まで残ったあたり、やっぱり和は団体戦でなく個人戦特化型なんだなとしみじみ思ったよ」

晴絵「ベスト64からの決勝トーナメントはいかにも和らしい勝ち上がりだったな。二位抜けルールを利用して毎回二位でギリギリ勝ち抜けて、とうとうファイナルにまで達した」

灼「その決勝は流石に宮永姉妹の独壇場だったね。妹が絶対王者の姉に勝って下克上したけど、チャンピオン心の底から笑っていたような・・・あっ、大将戦もそろそろクライマックスみたいだよ」ピピピ(TVの音量を大きくする)

恒子「さあ第68回国民体育大会麻雀競技もいよいよ大詰め。決勝戦は東京選抜、大阪選抜、長野選抜、奈良選抜で争われていますが・・・」

穏乃「国体は各都道府県で選抜チームを作るんだよね。奈良代表として阿知賀からは、美穂子さん、玄さん、宥さん、憧の四人が選ばれたけど」

灼「少しチーム力に差がありすぎない? 東京選抜(白糸台&臨海)とか反則でしょ? 宮永照・大星淡のコンビに例の留学生3人とかどこにも隙がない」

晴絵「大将の宮永照にまわる前に二位に十万点リードとか本当に負けようがないな。大阪選抜(千里山&姫松+荒川憩)や長野選抜(清澄&龍門渕+池田ネコ)と違って、奈良選抜は阿知賀からの上積み(ニワカ先輩のみ)がほとんどないから途中でトバされなかったのが奇跡だな」

穏乃「美穂子さんと玄さんで先行逃げきりを図ったけど、この二人で何とか互角。中堅からは大きく差が開いて大将戦もいよいよオーラスか」

やえ「ぐ、ニワカどもめ。通らばリーチ」

憩「通りません、ロンです。親の三倍満36000です」

衣「通らぬぞ、塵芥。ロン、国士無双32000」

照「ロン、平和のみ1000点」

やえ「!?」

恒子「これは三家和(トリプルロン)ですね。ダブロンだと頭跳ねですが、国体ルールではトリプルロンは四開槓と同じく流局親流れと定まっています」

健夜「これで大阪選抜の親が流れましたので、東京選抜の優勝ですね。何とも珍しい形の決着ですが、インターハイでは団体・個人ともに落としてしまった宮永照選手。この最後の国体に勝利して有終の美を飾りました」


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