35:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 00:24:49.98 ID:bOaug2Ec0
八、北十字とプリシオン海岸
女「友は、元気にしてるかな。」
ふと昔のことを思い出したように、女が窓の外を見ながら言った。
男「(ああそうだ、友は、あの遠い一つのちりのように見える橙いろの三角標のあたりにいて、いまおれたちのことを考えているんだった。)」
と思いながら男は、ぼんやりしてだまっていた。
女「小学校の終わりごろだったかな。私、男とはあんまり仲良くなかったけど、
友が間を取り持ってくれて。困ったことがあったら、なんでも友に相談してたよ。」
男「懐かしいなあ。友はおれたちよりずっとかしこいから、おれもいつも頼りにしてた。
小学校っていうと、まだ女が髪を短くしてたときか。」
女「男も今みたいに背が高くなかったね。
あの頃からもう活版所で働いてたから、だんだんたくましくなって、
今じゃ他の子より大人びて見えるよ。」
男「えへへ、よせやい。」
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