過去ログ - 男「銀河鉄道は」女「夜の街に」
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56:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 01:04:07.93 ID:bOaug2Ec0

ところが、つかまえられる鳥よりは、つかまえられないで無事に天の川の砂の上に降りるものの方が多かったのだ。

それは見ていると、足が砂へつくや否や、まるで雪の融けるように、縮まって扁べったくなって、
間もなく熔鉱炉から出た銅の汁のように、砂や砂利の上にひろがり、しばらくは鳥の形が、砂についているのだが、
それも二三度明るくなったり暗くなったりしているうちに、もうすっかりまわりと同じいろになってしまうのだった。

鳥捕りは二十匹ばかり、袋に入れてしまうと、急に両手をあげて、兵隊が鉄砲弾にあたって、死ぬときのような形をした。
と思ったら、もうそこに鳥捕りの形はなくなって、かえって、

「ああせいせいした。どうもからだにちょうど合うほど稼いでいるくらい、いいことはありませんな。」

というききおぼえのある声が、男の隣りにした。
見ると鳥捕りは、もうそこでとって来た鷺を、きちんとそろえて、一つずつ重ね直しているのだった。

男「どうやってあそこから、一瞬でここへ来たんですか。」

男が、なんだかあたりまえのような、あたりまえでないような、おかしな気がしてたずねた。

「どうしてって、来ようとしたから来たんです。ぜんたいあなた方は、どちらからおいでですか。」




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