64:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 19:39:12.55 ID:bOaug2Ec0
女は、その紙切れが何だったか待ち兼ねたというように急いでのぞきこんだ。
男も全く早く見たかったのだ。
ところがそれはいちめん黒い唐草のような模様の中に、おかしな十ばかりの字を印刷したもので、
だまって見ていると何だかその中へ吸い込まれてしまうような気がするのだった。
すると鳥捕りが横からちらっとそれを見てあわてたように言った。
「おや、こいつは大したもんですぜ。こいつはもう、ほんとうの天上へさえ行ける切符だ。
天上どこじゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。
こいつをお持ちになれぁ、なるほど、こんな不完全な幻想第四次の銀河鉄道なんか、どこまででも行けるはずでさあ、あなた方大したもんですね。」
男「いや、おれたちがすごい訳じゃないですから。」
男が赤くなって答えながらそれをまた畳んで内ポケットに入れた。
男(それにしても、この人も大げさなことを言うな。
確かにここはきれいでいいところだけど、天上まで行くなんて。
天上ってのは死んだ人が行くところだぞ。)
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