80:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 20:34:36.47 ID:bOaug2Ec0
男「鳥が飛んで行くな。」
男が窓の外で言った。
女「どれどれ。」
女もそらを見ました。
そのとき大きなやぐらの上で、ゆるい服の男は俄かに赤い旗をあげて狂気のようにふりうごかした。
するとぴたっと鳥の群は通らなくなり、それと同時にぴしゃぁんという潰れたような音が、
川下の方で起ってそれからしばらくしいんとしていた。
と思ったらあの赤帽の信号手がまた青い旗をふって叫んでいたのだ。
「いまこそわたれわたり鳥、いまこそわたれわたり鳥。」
その声もはっきり聞えた。
それといっしょにまた幾万という鳥の群がそらをまっすぐにかけたのだ。
二人の顔を出しているまん中の窓から、
あの女の子が顔を出して美しい頬をかがやかせながらそらを仰いだ。
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