95:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:27:42.36 ID:bOaug2Ec0
女「ねえ見て、三角漂がさそり座の並びかたとそっくり同じだよ。」
男はまったくその大きな火の向うに三つの三角標がちょうどさそりの腕のようにこっちに五つの三角標がさそりの尾やかぎのようにならんでいるのを見た。
そしてほんとうにそのまっ赤なうつくしいさそりの火は音なくあかるくあかるく燃えたのだ。
その火がだんだんうしろの方になるにつれて、みんなは何とも言えずにぎやかなさまざまの楽の音や草花の匂のようなもの口笛や人々のざわざわいう声やらを聞いた。
それはもうじきちかくに町か何かがあって、そこにお祭でもあるというような気がするのだった。
「ケンタウル露をふらせ。」
いきなりいままで眠っていた男のとなりの男の子が向うの窓を見ながら叫んでいた。
ああそこにはクリスマストリイのようにまっ青な唐檜かもみの木がたってその中にはたくさんのたくさんの豆電燈がまるで千の蛍でも集ったようについていた。
男「おい、ここって、もしかして」
女「ケンタウルの村! ほんとうにあったんだ。」
女が感極まって言った。
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