過去ログ - 男「銀河鉄道は」女「夜の街に」
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97:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:32:42.76 ID:bOaug2Ec0

青年「ケンタウル村の伝説、ご存知なんですか。」

女「ええ、私たちの住んでたところにも、ケンタウル祭っていう銀河のお祭りがあって。」

かおる子「ケンタウル村のことは、家庭教師のお兄さんが教えてくれたわ。」

男「あなたが?」

青年「子供たちから星の物語をたくさん教わったので、お返しにひとつわたくしの知っているお話を教えたんです。」

タダシ「もう一度はなししてよ。お兄さんの話おもしろいんだ。」

男「いいですね。どうぞ、聴かせてください。」

青年「では、おはなしします。
馬と人の間に産まれたケンタウルは、半人半馬な自分の姿が嫌いでした。
人に会えば槍を持って追い立てられますし、馬に会えば一目散に逃げられてしまうからです。
だからケンタウルは、深い森の中、人も馬も滅多に来ないところで過ごしていました。
そこへとある農家の娘が迷い込みました。
馬だって人だっていつも見慣れている娘は、
うろたえるケンタウルの背に飛び乗って走るようにせがみます。

ケンタウルは娘を背中に乗せてどこまでも走れる馬の足と、娘を抱きしめられる人の両腕が好きになっていきました。
いつしか二人は恋に落ちて、そしてケンタウルは気付きます。
自分の姿は誰のものでもない、父と母の特別な愛によって生まれたものなのだと。

そしてある年にひどい干ばつに見舞われました。
娘は喉がかわいてだんだん弱っていきましたし、
たくさんの家族が大切な誰かを次々と亡くしていくのをケンタウルは悲しみました。

そこでケンタウルはぐっと大地に馬の足を踏みしめますと、高く高く天まで飛び上がりました。
そして、そこにいた雨の神さまを、人の手で思いきりたたきました。
神さまの眼からは大粒の泪がこぼれ落ちて地上は潤いましたが、ケンタウルは神さまの怒りを買ってころされてしまいました。

天に昇ってもまた娘に会いたいと願ったケンタウルは、天上に一番近いところに村を作り、
娘がいつやってきてもすぐに分かるようにケンタウル村と名付けたということです。」




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