過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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120: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2012/09/20(木) 16:57:12.40 ID:QbPj2Ru80

副官少尉「……隊長」

曹長とは一転、副官少尉は少し疲れた様子で、加えて、苦虫を噛み潰した様な妙な表情をしていた。
その表情の意味を、勇者中尉は即座に理解した。

勇者中尉「副官少尉、君が気に病む事は何も無い」
勇者中尉「君は、避難民たちに直ぐに出発させるよう、指示を行ってくれ」
勇者中尉「重ねて言うが、君が気に病む事は、何一つ無い」
勇者中尉「少なくとも、私は気にしていない」

副官少尉「……了解」

副官少尉もまた、敬礼し、踵を返す。
――彼の幼い容貌と、家の貧しさには理由がある

彼の父親はエルフであり、しかも彼の母親を孕ませた後、
ゴミの様に捨てた、屑の様な男であったのだ。
エルフは人間よりも老けにくい。その遺伝子を確かに継いでいる証が、彼の幼い容貌であった。
彼がエルフに対して抱く感情は、複雑だった。

勇者中尉「(全く以てままならん事だ)」
勇者中尉「(できるならば……もうエルフの兵隊とは共闘したくは無いな……)」

勇者中尉は溜息を、周りから見えず聞こえぬようにつき、
帽子を外し、髪型を直してかぶりなおした。

――なお、彼の望みとは裏腹に
――彼はすぐにエルフとの共闘を強いられ
――しかもその相手は、先程別れたばかりの女エルフ中尉になるのである

――彼がそれを知るのは、もう少し先の事だ



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