過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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160: ◆2GCrAwA30Q[saga sage]
2012/10/08(月) 16:43:10.89 ID:ETTshrzD0

――人類にとって火薬武器とは、常に『銃』と『砲』であった

現在である大陸暦1864年から遡る事、ちょうど二五〇年前……
大陸暦1614年の夏ごろに起こった『丘陵の戦い』より、人類の火器の時代はその火蓋を切った。
もはや何度目かになるかも解らぬ魔王自ら率いる『遠征軍』を迎撃した1614年の人類軍は、
これまでの人類の軍隊とはあらゆる意味において一線を画していたいたのだ。
――それは、『火縄銃(アークエバス)』と『射石砲(ボンバード)』で武装された軍隊であった。

魔王を始め、数々の悪名を以て畏怖された上級魔族の武将達が、綺羅星の如く集った遠征軍は、
勇者や騎士のような『選ばれし者』では全くない、『とるに足りない雑兵達』が操るこの二つの火器に粉砕されたのだ。

『荷車要塞』とよばれる、荷車の両側に鉄板や厚い木の板、厚い鞣革などで装甲化した移動式防御装置と、
即席の胸壁や塹壕の後ろに火縄銃で武装した射手、射石砲とその砲手により野戦築城された丘陵へと魔族軍をおびき出し、
何も知らぬ魔族軍へと、一方的に鉛と大理石の横殴りの驟雨を叩きつけたのである。

無駄に大型化し、未だ不合理・不効率な点が多く、連射力もそれほどでもなかった『射石砲』だが、
その鉄製の砲身より発射された大理石の砲弾が魔族軍へと与えたその影響力は大きかった。
なにせそれは、魔族側の一般的な魔法攻撃の射程を大きく凌いでいたからである。
その轟音と、発射される大きな砲弾は、実際の威力以上に、精神的な破壊力を持っていた。



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