過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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163: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2012/10/08(月) 16:45:09.68 ID:ETTshrzD0

無論、人類側の被った被害も相当な物で、
勇者率いる歩兵部隊の損耗率は何と七割にも及び、
多くの者が戦死し、生き残った者も、その大半が不具者となった。

そして、勇者自身も致命傷を負い、戦いの翌朝までは生きてたものの、力尽き、息をひきとった。
彼は夜明けの風に吹かれながら、命の灯も今や消えつつある彼の眼差しはしかし、希望に輝いていたと言う。
勇者の家に生まれながら、先天的に不具を抱えていた彼は、故に新しい戦い方を生涯模索し、遂に成し遂げたのだ。
彼は、自分の生み出したやり方が、世界を変えるだろう事を確信しながら逝った。
そして彼の確信は正しかった。銃砲の威力により、人類の夜明けは訪れたのだから。

そんな彼が火器の開発を思い付いたのは、錬金術師の実験の過程で偶然生まれ、
しかし出来た当初は、火を扱う魔法に劣る事から注目すらされなかった火薬が、
さる街で『花火』に使用されていたのを見たからだったと伝えられる。

果たして『火器』を産んだその親は、とるにたりぬ木製の『ロケット花火』であったのだ。
――人類が火薬の炎を武器としてより二五〇年
――皮肉にも、人類に火器をもたらした取るに足りぬ『玩具』の後裔が
――『ロケット兵器』へとその姿を変え、人類へと襲いかかる



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